査読について

1. 査読方針

( 1 ) 査読は,学会誌に掲載される論文の質を維持するために行うという面がありますが,同時に,学会の会員は学会誌に論文等を発表する権利を持っていることに十分配慮し,過度に厳しい評価をしないようにします。

( 2 ) 査読は,原稿の欠点を見つけて減点していくのではなく,原稿の長所を積極的に見つけ加点していく方式で行います。

( 3 ) 原稿に対する責任は執筆者が負うものであり,原稿の評価は読者が行うものだということを念頭に置き,査読者の考えを押しつけたり,過度のアドバイスを行ったりしないようにします。査読者にとっては従いがたい論であっても,論として成り立っていれば,評価します。

2. 査読結果の報告

( 1 ) 評価は,採用,修正採用,修正再査読,不採用のいずれかになります。それぞれの評価は,次のようなことを意味します。

・ 採用:そのまま掲載してよい。
・ 修正採用:執筆者に1か月程度の期間で修正を行うことを求める。修正された原稿は,学会誌委員会が修正を確認するだけで,再度の査読は行わない。
・ 修正再査読:執筆者に1か月程度の期間で修正を行うことを求める。修正された原稿は,再度査読して採否を決める。
・ 不採用:1か月程度の期間で修正を行っても,採用される可能性がない。

( 2 ) 査読結果報告書には,複数名の査読者による評価に基づいて決定した総合評価が冒頭に示され,その後に各査読者の評価およびコメントが示されます。

( 3 ) 評価が修正採用の場合は,「修正が望ましい点」が示されます。
評価が修正再査読の場合は,「採用のための条件」が示されます。「採用のための条件」には,1か月程度で修正できないような条件は示しません。

( 4 ) 評価が採用または修正採用または修正再査読の場合は,「参考意見」が示されることがあります。これは,採用の条件ではなく,投稿原稿をよりよくするためのアドバイスとお考えください。

( 5 ) 評価が不採用の場合は,「不採用の理由」が示されます。ただし,不採用理由の通知を希望しない執筆者には示しません。

3. 再査読の要領

( 1 ) 初回の査読結果が修正再査読になり,再度提出された原稿は,原則として初回と同一の査読者が査読を行います。

( 2 ) 再査読の場合の評価は,採用,修正採用,不採用のいずれかが示されます。修正再査読という評価はありません。

( 3 ) 再査読では,初回査読報告に示された「採用のための条件」を十分考慮した修正がなされているかどうかという観点から評価します。「採用のための条件」に示されなかった新たな観点により不採用という評価を下したり,新たな「採用のための条件」をつけて修正採用という評価をしたりはしません。

( 4 ) 執筆者が行った修正が不十分だとして,何回も修正要求を行うことはしません。

4. 執筆者との連絡

原稿執筆者との連絡は,すべて学会誌委員会が事務局を通して行います。